- 事業者は原則として不動産の価格または賃料等について、二重価格表示をしてはなりません。
「二重価格表示」とは、事業者が不動産について、実際に販売する価格(実売価格)にこれよりも高い価格(比較対照価格)を併記するなど何らかの方法により、実売価格に比較対照価格を付すことをいいます。
たとえば、「2000万円→1800万円」「市価の2割引」「200万円の値引き(値下げ)」「謝恩セール実施中 期間中は10%引き」などはこれにあたります。
不動産は個性が強く代替性がないため、本来他の物件と価格を比較することは不適当であることや、事業者が決定した販売価格であっても実際に取引されてみなければ、その価格が「実売価格」と言い切れない要素があるからです。
ここで注意しなければならないのは、ニ重価格表示の禁止と実際の取引において、価格交渉の結果、値引き販売することはまったく別の問題であるということです。値引きはあらゆる取引において行われることでもあり、特に問題はありません。ここで規制しているのは、販売価格を安く見せようとする二重価格表示です。
しかし、次のふたつの場合に限り例外として二重価格表示が認められています。
- 一定の取引条件に適合する購入者に対して、一定率または一定額の割引をする場合において、当該取引条件を明らかにして、割引率、割引額または割引後の額を表示する場合です。これに該当する場合としては、例えば代金全額を購入者の自己資金で支払う時は2%引きで販売する場合や、まとめて3区画以上購入する場合に総額から1%値引きするなどがあるでしょう。
- 旧価格(値下げの6ヶ月以上前に公表された価格であって、かつ、値下げ以前の6ヶ月以上の期間にわたり実際の取引に用いられたと認められるもの)を比較対照価格とし、かつ、次の要件のすべてに該当する場合です。要件は4つあります。
- 旧価格を表示した方法と同様の方法で表示し、かつ、その表示の行われる地域が旧価格の表示が行われた地域内であること。
- 旧価格の公表時期(年月日)および値下げの時期(年月日)を明示すること。
- 値下げの時期から6ヶ月以内に表示するものであること。
- 使用されたことがない建物について行う表示であること。
尚、「値下げの6ヶ月以上前に公表された価格」とは、値下げ表示(ニ重価格表示)をしようとする日の6ヶ月以前に設定され、かつ、広告その他の表示により公表されていた価格をいいます。
「値下げ以前の6ヶ月以上の期間にわたり実際の取引に用いられたと認められる」とは、旧価格を公表した日から値下げをした日の前日までの期間が6ヶ月以上であり、かつ、購入者の申し込みが合った場合にその価格で売買契約が締結できた日から値下げをした日の前日までの期間が6ヶ月以上であって、その期間内においてはその価格で実際に取引したと認められる価格をいいます。たとえば、ある年の1月1日に販売広告を行い、その広告で4月1日から販売を開始すると表示した場合で、その年の10月1日に値下げをしたときはその日から二重価格表示ができますが、7月1日の時点では二重価格表示をすることはできません。
「旧価格を表示した方法と同様の方法」とは、表示媒体または表示の方法が同一であり、かつ、その表示の消費者に対する訴求力がほぼ同等の方法をいいます。たとえば、旧価格による販売広告は友の会の会報等のDMだけで行っていた場合は、新聞広告や新聞折込ビラを用いて二重価格表示をすることはできません。
「その表示の行われる地域が旧価格の表示が行われた地域内であること」とは、旧価格による販売広告の伝達された地域的範囲が、二重価格表示による販売広告の伝達される地域的範囲と同じか、これより狭いことをいいます。例えば、旧価格による広告はA市内のみに新聞折込ビラを配布していた場合は、ニ重価格表示による広告もA市内のみに配布されるものでなければならないということです。
「値下げの時期から6ヶ月以内に表示するものであること」とは、値下げをした場合に二重価格表示をしたかどうかを問わず、値下げをした日から6ヶ月経過した日以降は二重価格表示をしてはならないということです。
「使用されたことがない建物について行う表示であること」とは、土地および中古住宅について二重価格表示はできないということです。なお、ここでいう「使用されたことがない建物」とは、建築後2年程度のものも含まれます。

- 同一物件を2人以上に賃貸することです。貸借の先後に関係なく、先に対抗要件を備えた者が権利を取得し、他方は貸主に対して損害賠償を請求しうるにとどまります。つまり、賃借権の登記をするか、建物および農地にあっては、その引渡しを受けた者、建物所有を目的とする土地にあっては地上建物の登記を了した者が権利を取得します。

- 内容が抵触する2個以上の登記、たとえば同一建物について保存登記が二重になされたような場合、あるいは一不動産について2以上の登記用紙が存する場合等をいいます。
登記制度においては形式的秩序の確保が要請され、かつ、一不動産一登記用紙主義が貫かれており、たとえ既存登記が実体上は違法または無効なものであっても実体上の関係にかかわりなく既存の登記に抵触する登記申請はすべて却下されます。しかし、既存登記との抵触が看過されて二重登記が現出したときの効果については、原則としてあとになされた登記が無効とされますが、2個の登記のうち一方が実体の表現に近いときは登記の前後に関係なく実体に近いほうを有効とします。また、先の登記が実体上不適法であとの登記が実体上有効のときは多数説は先の登記を無効としますが、あとの登記の抹消も請求できるという見解もあります。

- 売主が、同一の目的物について2人の買主に二重に売ることです。買主は、いずれも登記または引渡しの対抗要件をそなえるまでは、両者の地位に優劣はなく、どちらも対抗することをえず、早く対抗要件を備えた者が優先します。他方の売買は履行不能となります。特定物の売買につき、いずれの買主も対抗要件をそなえない間に、目的物が債務者の責めによらない事由で滅失した場合は、一般の場合と異なり、債権者主義は適用されず、債務者主義となって、買主は代金債務を免れると解されます。

- マンションなどで土台となるコンクリートスラブに直接フローリング材やボード(天井の場合)を張るのではなく、5cm〜6cmの隙間をつくった床や天井を指します。これがよく用いられるのはフローリングの床です。フローリング材にいくつもの脚を付け、防振ゴムを付けてスラブの上にのせます。その結果、下の階に伝わる足音などを小さくし、遮音性が向上します。さらに、防振ゴムの効果で踏み心地がソフトになるといった長所も生まれます。

- 親の世帯と、その子供の世帯がひとつ屋根の下で暮す為に考慮された住宅のことです。玄関や浴室、キッチンなどを共有することも有りますが、互いのプライバシーを守る為、玄関を別々に設けたり、それぞれがキッチンや浴室を持つこともあります。マンションにも二世帯住宅を意識した住戸があり、玄関を別々にしていますが、互いの住戸を行き来できるドアが住戸内にあって、浴室を共有するなど工夫されています。

- 日照を受ける権利で、相隣権のひとつです。都市への人口集中、地価の高騰は建物の高層化を招き、日照を妨害する事例を増加しつつあります。ところが、日照妨害はばい煙、騒音などによる積極的侵害と異なり、いわゆる消極的侵害と解されてきたため、実定法上の保護は十分とはいえません。それに、現在のところは、権利というよりは生活利益として法的保護の対象となっているにすぎません。保護の方法としては、相隣関係法規(境界線付近の建築制限を定めた民法234条など)がまず実定法上の拠点となりうるとともに不法行為法による救済も可能です。その場合には、侵害が社会生活上受忍すべき限度を超えていることが必要とされます。受忍限度を定める基準としては、被害者が居住する地域の場所的慣行、被害者の感受性、加害行為の態様(建築基準法55条以下の違反など)、加害行為の性質、加害者の害意などがあります。

- 廊下やホールの壁をくぼませて作る飾り棚のことです。ここに花やインテリアを飾ったり、照明を当てたりします。

- 画地条件のひとつで、正面および裏面が街路に接する画地で、角地ほどではありませんが、宅地の有効利用度が優れています。商業地において、正面は顧客の誘致に、裏面は商品の搬入に用いるなどの利点もあります。また三方が街路に接する画地を三方路、四方が街路に接する画地を四方路といっています。
鑑定評価においては、正面の街路以外の街路に接することが、その宅地の利用に具体的にどれだけ寄与するのかということから増加率を判定しています。路線価式評価法では、地域別に加算率を定めた二方路影響加算率表の係数により算定しています。

- 庭には「サンクンガーデン」「パティオ」「ライトコート」などがあります。

- 庭石は土地の定着物で不動産ですが、通常は土地の一部です。したがって、土地を処分することは庭石のついた土地を処分することを意味し、庭石の所有権がとくに問題にはなりません。もちろん庭石でも多大の価値を有するものがありますので、庭石だけを処分し、または庭石を除外して土地だけを処分することは可能です。

- 庭木は土地の定着物で、土地の構成部分をなし、独立した存在をもちません。したがって庭木は土地の処分に従い、その所有権が移転し、担保の効力が及びます。もちろん庭木も経済的価値を有しますので、土地とはなれて別個に取引することは可能です。根回しして仮植したにすぎない庭木は、土地の一部でなく(土地の定着物ではない)、別個の動産とみるべきです。
